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開催趣旨

 聖護院は役行者を宗祖とする本山修験宗の総本山として、寛治4年(1090)に建立されました。以来国内でも数少ない皇室や摂家より代々住職を迎える宮門跡であり、更に光格天皇の仮皇居としても使われ、日本唯一の史跡旧仮皇居として指定されています。
 現在でも修験道の荒々しい修行を行っていますが、一歩院内に足を踏み入れると当時の宮廷文化をそのままに残す200面近い障壁画や多くの宝物が遺されます。

聖護院山門の外観

 長年の風雪もさることながら、平成30年9月の台風21号により境内は大きな被害を蒙り、特に門跡筋塀はじめ御所より下賜されて約300年を経た書院の被害は甚大でした。当院は歴史を後世に伝えるべく「書院」・「筋塀」の修理修復を天皇御即位記念事業として発願いたしました。

 大変多くの皆様方のご協力のもと、この度無事に完成したことを記念し、建築当初の美しさを取り戻した書院の特別公開及び、関連展示を期間中に開催いたします。関連展示では書院を建造された後水尾天皇様の宸翰等ゆかりの宝物類や修復工事の様子を展示いたします。
 例年の特別公開では所蔵の内100面以上の金碧障壁画や宝物類をご覧いただいていましたが、今回の特別公開ではそれに加え、修復後初公開の書院(重要文化財)もご覧いただけます。

初公開「書院」

 この書院は後水尾天皇ご側室の御殿と伝わり、建物そのものが重要文化財として指定されています。
 修復工事完了後初めて一般公開されるこの書院は、延宝4年(1676)に聖護院が現在の地へ移転してきた時に御所より移築されたと伝わります。
 障壁画が残る二室には、当時としては非常に高価であったガラスを花頭窓に使用するなど贅がつくされています。違い棚周辺には豪華でありながらも緻密な金細工がされていることや、釘隠しに彫金細工の結び文や泥七宝の笹竜胆、細い柱を使った華奢な建物の造りなど女性好みの志向が凝らされており、この書院を女院へ送った後水尾天皇の心配りをご覧いただけます。

修復された書院外観

花頭窓には当時のガラスが今も使われている

修復された書院内部

書院内部(修復前)

拝観の見所

 秋の特別公開では普段立ち入ることのできない宸殿や書院といった建物の内部をご覧いただけます。専門のスタッフが巡回して解説しておりますので、ご希望の方はご自由にお聞きいただけます。
 内部の障壁画は全て描かれた当時の本物が今も現役で使用されており、光格天皇や聖護院宮に謁見するため訪れた使者同様の景色を追体験することができます。

大玄関より使者之間

※特別公開時、文化財保護のため一部障壁画の配置が変更されています

 100余面を数える障壁画の殆どは日本最大の画派であった狩野派による作で、波之間を境に京狩野と江戸狩野の作品を見比べることができます。また、今回特別に公開される書院内部には呉春らによる作品も遺されています。
 謁見之間までの道中では、役行者神變大菩薩様、また明治の法難の時に廃寺となった各寺院より預けられた複数の不動明王様など、修験道と関わりの深い仏様へお参りしていただけます。

役行者 神變大菩薩像

役行者 神變大菩薩像

特別限定朱印

 修復を記念し、書院の特別公開に合わせ限定朱印を授与いたします。
 明治までは聖護院の南側に聖護院村があり、鴨川にかけてうっそうとした「聖護院の森」が広がっていました。この森の紅葉は錦の織物のように美しいため「錦林」と呼ばれ、今も周辺地域一帯の地名として使われています。
 その美しい森の中にある御殿であったことから、聖護院は別名「森御殿」とも呼ばれました。

職人手染めの布製特別朱印

職人手染めの布製特別朱印


 この特別朱印は錦の森をイメージした朱色の織物に、手捺染(てなせん)と呼ばれる伝統的な技法を用い、京都の職人が手作業で金色に染め上げました。織物は古来より寺社において神仏に捧げる供物としても重要視されていました。錦の織物とまで譬え称された聖護院の森ならではの特別なご朱印となりました。一枚一枚に若干の個性がありますが、手染めならではの証ですのでそれも含めてお楽しみください。
 中央には聖護院門主 宮城泰年猊下の揮毫による「森御殿」の印を配しており、華やかなデザインは全て書院の外観や内部の意匠が用いられています。この機会に美しくよみがえった書院をご覧いただき、何処に用いられている意匠なのか探してみてください。

―お知らせ―
1体1500円、頒布期間は10月7日より無くなり次第終了いたします。
数に限りがございますのでご了承ください。

※画像はイメージです。デザインが多少異なる場合があります。

※布製の為、軽微なホツレやシワなどが見えることがあります。

拝観案内

公開期間 2023年10月7日(土)~12月3日(日)
公開休止日 10月12日~15日、11月28日・29日
※法務により拝観休止日が増える場合があります
拝観時間 10:00~16:00受付終了
拝観料 大人800円 中高校生・大学生600円 小学生以下無料(要保護者同伴)
※団体15名以上は700円(旅行会社様 団体料金でのクーポン適用不可)
団体様 10名以上の団体様は事前予約をお願い致します。
予約先/京都春秋 FAX 075-231-6420

交通案内

所在地 〒606-8324 京都市左京区聖護院中町15
京都駅から 京都駅前D2のりばから市バス206系統 祇園方向
熊野神社前下車徒歩約5分
阪急河原町駅から バス停四条河原町Eのりばから市バス201・203系統
熊野神社前下車徒歩約5分
京阪電車 神宮丸太町駅5番出口から徒歩約10分
京都市バス 熊野神社前下車徒歩約5分
お車でお越しの方 特別公開期間中は境内に駐車していただけませんので、近隣のコインパーキングをご利用ください。

ご注意事項

  • 新型コロナウイルス感染拡大状況、社会情勢によっては拝観内容が変更または中止になる場合があります。
  • 境内は一部を除き撮影禁止です。
  • 建物の構造上、車いすでの拝観はできません。
  • 杖をお使いの方のため、杖カバーをご用意しております。
  • 文化財保護のため、お荷物は体の前に抱えてご拝観をお願いいたします。
  • 境内ではスタッフの指示に従ってください。拝観の妨げになると判断した場合は、拝観料をご返納の上、お引き取りいただきます。
  • 暴風警報や大雨警報、地震など、文化財保護の為や拝観に来られる方に危険と判断した際は、事前の予告なく拝観休止とさせていただきます。休止を決定した時点でHPやSNS等にてお知らせいたします。